【写経のススメ】三木大雲さんの写経本で、友達のために始めた写経を久しぶりに再開します!

青白い雲とお線香の煙の中、蓮台の猫の仏像を背に、机で写経するキジトラ猫 グッズ

実は私、昔から「字を書く」のが大好き。

例えばテレビを見ながら。電話で話しながら。手元に置いた「らくがき帳」に、耳に入ってきた単語や全く関係ないワードを片っ端から書いて文字で紙を埋め尽くしていく。そんな子供でした。

先日も万年筆を新調したばかりなのですが、今でも新しい筆記具を買ったあとは、ペンの書き心地を試すだけに止まらず、延々と書き続けてしまうんですよね。とにかく「手で書く」ことが全く苦にならない質(たち)なので、文字=漢字をたくさん書き連ねることができる「写経」も大好物なんですよ。

今回は、とある理由から10年くらい前に始めてみた写経を、久しぶりに再開することにしたお話です。きっかけは、2026年の9月末に発売された三木大雲さんの『法華経写経』の本でした。

始まりは、母の「あなたもやってみる?」のひと言から

私が写経を始めたのは、10年くらい前のことです。

その頃、うちの母はお遍路のために何度も四国へ行っていました。
昔、曽祖父のお葬式で「大悲呪」というめちゃくちゃ面白い読経を耳にしてから、「お経」というものに興味を持っていた私。Uttara-Kuruの「Mendicant Priest」で観音経にハマっていたある時、母から「あなたもやってみる?」と、般若心経の写経を勧められたんですよね。

▼Mendicant Priestを聴きながらいっしょに詠うための歌詞カード(=My観音経)▼

自分で印刷し、蛇腹に折った観音経

同じ頃、私の友人がメンタルを病んでいました。物理的にしてあげられることは何もないので、離れたところからただただ心配するしかない自分……「そうだ!」とひらめいて、彼女の回復を祈りながら写経をしてみることにしました。

書いたのは、5〜6枚だったと思います。それらは全て、母がお遍路の道中でお寺に納めてくれていました。すると、偶然かもしれませんが、最後に書いたお経を納めてもらってしばらく後、友達から「来月から仕事に復帰することになりました」という連絡がきたんです。

実際にその友達と会って話もしたのですが、憑きものが落ちたように晴れ晴れとした表情になっていて、私もすごく嬉しかったのを覚えています。もちろん、写経と彼女のメンタル回復の間に因果関係があるかどうかなんて分かりません。でも、それ以来私の中では、「写経」には何かしらのパワーがあるのかもしれない……という確信めいたものが芽生えたのでした。

まる美
まる美

偶然かもしれないけど……仏様が彼女を助けてくれた!?と思っちゃいました。

墨も毛筆もナシ!私の写経は、いつものサインペンで

「手で書く」ことが好きな私ですが、それでも初めから墨を磨って毛筆で書く気は全くありませんでした。墨の匂いもステキだし、毛筆だと集中力も増す気がします。しかし、準備段階で「めんどくさ!」となり、後片付けでも「めんどくさ!」となりそうだったので、お気に入りのペンを使うことにしました。これが思いのほか、自分に合っていて、以来、私の写経道具はずっとこれです。

▼三菱鉛筆の水性ペン「リブ」。私の超愛用品です▼

カバーを取った写経本の上に置いた三菱鉛筆の黒い水性ペン「リブ」

このペンを知っている方なら激しく共感してもらえると思うのですが、こちら、使い始めに押さえつけるようにして、ペン先を柔らかくするのがコツ。こうするとちょっぴり筆テイストになって、「とめ・はね・はらい」のアクセントがつけやすく、何よりめちゃくちゃ書きやすくなるんですよ。新品の時より、少し使い込んだ頃のほうが、断然きれいに、味わい深く書けます。

▼私が愛してやまない「リブ」はこちら▼

般若心経を書いていた紙は、お手本を下敷きにして、透けて見える文字をなぞり書きすることができる専用の写経用紙でした。1枚1枚切り離せるようになっている綴りから、母が数枚くれたものです。繊維が触れるようなガチの和紙ではなかったので、このペンでも引っかかることもなく、きれいに書くことができました。

▼大きさは横36cm×縦24.5cmで、表面はスベっとした和紙です▼

般若心経の文字が並ぶ写経用紙の表紙

▼下にお手本を敷いて、文字をなぞっていきます▼

薄い写経用紙をめくり、下に敷いた般若心経のお手本を見せているところ

▼母にもらったのと同じ写経用紙。愛用のリブでも、引っかからずに書けました▼

書く場所は、自分の部屋。お香を焚くといいと聞いたことがありますが、私は何も焚かず、音楽もかけず、ひたすら無心に「書く」だけです。般若心経なら短いので数十分で書きあげることができます。

「私、失敗しないので。」失敗しようがないその理由

私の場合、写経していく上で書き間違えることはほとんどありません。一文字一文字丁寧に書いていくので当然のことですよね……なんてことはなく。私が使っていたのは「なぞり書き」をしていくものだったので間違えようがなかったというのが本当のところです(笑)。それでも複雑そうな漢字は、下の動画のように別の紙に大きく書いてみたり、何度も練習してから写します。

まる美
まる美

どこかで聞いたことがある某ドクターXみたいですが、上の動画のとおり、見えてる文字をなぞっていくのでミスらないだけです♪えへ。

とはいえ、一切間違えない訳じゃないですよ。「あっ」と思ったことも何度かありました。そんな時はどうするのか。

答えは「修正テープ」です。写経に修正テープ。邪道かもしれませんが、それも含めて「俺の写経」。ちなみに私のおススメは下の2つ。細めのほうが小回りがきいて、出ちゃいけない線がはみ出てしまった時など、ちょっとした部分だけの修正もしやすいですよ。

▼この記事を作るために、久々にやってみました▼

黒い文字で縦に書き上げた般若心経の写経

お寺に納めると思ってた!書いたお経がそのまま御札になる本

京都の蓮久寺の三木大雲さん。「怪談説法」でご存じの方も多いと思います。

私も最初は怪談からでしたが、三木さんの不思議なお話、ご本人が常日頃から「全てのことはお経に書いてある」と仰っていることなどを聞いて、昨今興味深く見聞きさせてもらっていました。いつか蓮久寺にも行ってみたいなぁと思っています。

そして、その三木さんの最新の本が、こちら。

▼表紙からして取っつきやすそうな仏教本です▼

この本について、表にまとめてみました。

ポイントは2つあります。

  • ただお経を書き写すだけではなく、三木さんの解説と仏教コラムで、内容と意味を理解しながら書ける仕様になっている。
  • とじ込み付録の写経用紙。蓮台(蓮のイラスト)の上に文字を書いていく用紙で、書き終えたら折り込んで、家に飾れる御札にできるのが楽しみ。

実は私、この本の写経を書き終えたらどこのお寺に納めたらいいのかな、やっぱり蓮久寺さん?と疑問に思っていました。この本の付録の写経用紙は、書き終えたら折り込んで御札にできるんですね。これは新しい形。楽しみながら写経に取り組めるいい仕様だなぁと思いました。

まる美
まる美

私がこの本を買おうと思ったきっかけが、②の仕様でした。心をこめて写したお経が御札になる。自分で御札を作れるってなんだかうれしい♪

まずは1日分、なぞってみた!【動画あり】

本の冒頭で三木さんが説明しているように、法華経の「如来寿量品第十六」は長いので、この本で写すのは後半の「自我偈(じがげ)」の部分。週5日×5週=25日間のワークで、その自我偈の写経が完成するように作られていました。

『法華経写経』本を開き、1日目の如来寿量品第十六のなぞり書きのページを手で押さえているところ

その日に書く部分の訳や、三木さんによるコラムやワンポイントメッセージなど、仏教の難しいことがわからない人でも平易に理解できるような工夫が凝らされていて、初心者でも楽しく取り組めそう。

まずその日のお経を書いて、次に書き下し文を書く。それで1日分が終わります。5日目にはまとめとして、その週に練習した部分を通して書く。すると5週目に自我偈の全文が完成する、という仕組みなんですね。カバーと帯は書く時はジャマになるので外してしまった方がいいと思います。私は外したデザインの方が好きかも(下の動画の最後に出てきますよ)。

▼書いてみた動画(三倍速)▼

とにかく文字が大きく、直接なぞれるようになっているので、これは絶対間違いようがない。私が使っていた般若心経のお手本のように崩されておらず、めちゃくちゃ明瞭なフォントです。私は自分なりのリズムで文字を書いていくので、お手本通りにはなぞれてませんでした(笑)。でも、無理に寸分違わずなぞろうとすると、そっちに意識を持っていかれて逆にミスりそう……。そこまで神経質にならずに、のびのび書いていくのがよさそうです。

▼ズレてる、ズレてる(笑)▼

黒い筆跡が薄いお手本から少しずれた、法華経のなぞり書き
まる美
まる美

なるほど!このワークでお経への理解を深めてから、あの「御札」になる最初の付録に取りかかるってことか!!

▼これが集大成になるんですね▼

書き終えたら折り込んで御札にできる付録の写経用紙と、お札のような「御守護」の文字

法華経は、「文字の一つ一つが仏様の姿」だと言われているそうで、この付録のお手本になる文字の下には「蓮台」というハスの花があしらわれていました。

▼全ての文字がそれぞれハスに乗ってる~!なんだかかわいい▼

一文字ずつの下に蓮台が描かれた写経のお手本の拡大

この写経本は、文字スキーな私はパラパラと見ているだけでも楽しいのですが、1つだけ残念なところがありました。それは、「本の綴じ方」です。

本に直接書いていくので、見開きがフルフラットになる仕様にしてほしかった……。今の綴じ方だと、必ず片方のページを手で押さえておかないと「ばいーん」と閉じる方向に戻ってこようとする。左右どちらのページも中心に近いところが特に書きにくいので、次に写経本を出される時には、扶桑社さん、三木さん、ぜひご一考いただけると助かります(合掌)。

文字を書いているだけなのに、なぜか軽くなる

私は神社やお墓に行くと、心身がスッキリするのですが、写経はその感覚に似ています。ただ文字を書いていっているだけなのに、軽くなるというか、気分が清々しくなるというか。

気のせいかもしれません。でも、書いた後に残るあの感じが好ましくて、また書こうかな……と思うんですよね。ここ数年は忙しさにかまけて全くやっていなかったので、今回の法華経は久しぶりの写経になります。因みに、私の大好きな観音経も法華経の一部なんですよね。そう思うと、ずいぶん前から、法華経とはご縁があったんだなぁ……なんだかうれしい。

お寺を背景に、三木大雲さんの『法華経写経』を手に持って表紙を見せているところ

▼自分もやってみようかな~と思った方はこちらからどうぞ▼

この本が向いてる人、ちょっと待ってほしい人

⭕ こんな人には、ぜひおすすめ!
・文字を書くのが好きな人(私だ!)
・お経の意味を知りながら、写経してみたい人
・誰かのために、何かしてあげたいと思っている人

❌ こんな人は、ちょっと考えてから
・週に5日でもコツコツ続けるのが苦手な人(この本は5週間で進める構成です)
・書き上げた写経を、お寺に納めたい人(この本は手元で御札にする仕様です。私も最初は勘違いしてました)

まる美
まる美

「納経しに来ました!」ってこの本ごとお寺に持って行こうとしている方は、必ず事前に問いあわせた方がいいと思いますよ……

「写経」は難しいことなし!書くものと紙があれば始められる

友達のために、と書き始めた写経。他人のことを思いながら文字を綴っていたら、実はそれが自分の心までも軽くしてくれていた。というちょっとええ話ふうの結果に、当時はちょっと驚きました。あの感覚を再び味わいたくて、三木大雲さんの本をきっかけにまたやってみることにしました。

写経をするのに、特別な道具や場所はいりません。お気に入りの筆記具と、紙、少しの時間があれば始められます。修正テープも、あれば安心ですね(笑)。

▼裏表紙もかわいいですね▼

蓮の花に座る仏さまが描かれた『法華経写経』の裏表紙。上に黒いペン、下に青い帯


最後に1つ。
「書き上げたお経はどうしたらいいの?」と思われる方も多いかも知れませんので、写経Tipsです。

今回ご紹介した本の付録の場合は、書き終えたら折り込んで御札にする設計です。納めるのが前提ではないので、手元でお守りにするのが基本の形になりますが、写経一般では、完成したお経の扱いについて大きく3つあります。

  • お寺に納める(納経・奉納)
  • 自宅で保管する・仏壇に供える
  • 手放す時は、お寺のお焚き上げに出す

郵送で納経を受け付けているお寺もあります。たとえば東京の増上寺では、公式サイトのお手本を使った写経の郵送納経を案内しています。受付の有無や納め方、納経料はお寺ごとに違うので、事前に公式サイトで確認してみてくださいね。今回の本のように御札にして手元に置くのも立派な選択肢で、結局は気持ち次第でいいと思います。

※写経の感じ方には個人差があります。私の友達の回復と写経の関係も、証明できるものではありません。あくまで、私の体験として読んでいただければ幸いです。

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